お茶小売業 40代
経営計画(事前決算)に取り組まれた時期ときっかけは何ですか。
事前決算は創業してすぐに取り組みましたので、7年前くらいになります。年間売上、経費の見通しを立てたかったのがきっかけです。何の数字目標もなく経営をやってもうまくいかないだろうと思いました。
事前決算の立案方法について感じることは何ですか。
事前決算は会社が継続していくための必要最低限利益の算出からはじまり、そこから経費の枠組み、必要な利益率、売上高を決めていく、積み上げ方式なので目標売上高の根拠がしっかりとしています。根拠がなければ、ただ単に前年比110%の売上高を目標にといった根拠のない計画になりがちです。そうなると、実績と計画のずれが大きく出てくるような気がします。しっかりとした根拠がある計画値だからこそ、従業員にも自信をもって説明できますし、目標数字を意識して仕事ができますね。
事前決算を実施して数年たちますが事前決算の効果はありましたか。
事前決算の効果は付加価値率にあらわれていると思います。確実に付加価値率は上昇しています。4期前は35.9%だったのが3期前は38.6%、2期前は39.0%前期は43.0%まで上昇しました。今は売上を伸ばしていくのは非常に難しいと思います。事前決算を行う中で、自然と方向性は見えてきます。うちは売上を伸ばす戦略ではなく付加価値額を確保する戦略を実行してきました。
付加価値率を伸ばすために具体的に取り組まれていることがあれば教えてください。
具体的には徹底的な原価の低減を行っています。仕入先の変更や、商品の見直しをすることで原価を下げることが出来ます。お客さんに対しての値上げは出来るだけしないようにしています。やはり、安くておいしいお茶をお客さんに提供したいですしね。
今後は、従業員教育に力を入れていきたいと思っています。例えば、生産地に従業員も同行させ、実際にお茶の生産者の方と接することで、従業員がお客さんに対して、自分の見てきたことを自分の言葉でお伝えすることが出来るようになると思います。やはり、私たちの仕事は接客に力をいれなければお客さんは離れていってしまいます。お客さんに選んでもらえるお茶屋を作るためには、やはり専門的な知識と経験を従業員に積ませることが非常に大切なことだと思います。
今後の目標等を教えてください。
やりたいことは沢山あります。具体的な目標としては3年後までに2店舗増やしたいですね。既存店舗とは違うスタイルでやってみたい想いがあります。例えば、健康を切り口にしてお母さんと子供さんをターゲットにデモンストレーション販売形式で、買い物途中に立ち寄ってもらえるような店や、シニアの方をターゲットにこだわりのお茶屋を南阿蘇とかでやったり。最終的には、自宅でお茶をいれて家族で飲んでもらいたいわけです。人と人とが接する場の創造をお茶という商品を使ってやれたらと思っています。
まずは一年一年の目標数字を確実にクリアしていきたいと思います。